YukunP’s diary

古すぎる「定年」のイメージを変えたい! 今の定年は違うんです

和田秀樹氏は高齢者に強いマーケターでありインフルエンサーということか

80代向けの本がバカ売れ…和田秀樹「“個人資産1400兆円”の高齢者が財産を残すのをやめて今したいこと」全国3640万人の高齢者マーケットを制するための着眼点(プレジデント)

医師の和田秀樹さんは「60代~80代に向けた私の著書が軒並み売れ、多くの高齢の読者に支持されている。出版界は高齢者をターゲットにした本にずっと後ろ向きだったが、風向きが変わった。他の業種も、高齢者が欲しているモノやサービスを提供するべきだ」という――。

血圧や血糖値を下げる薬を使うと長生きできるかもしれないが、高齢になると誰でも動脈硬化が起こっていて血管の壁が厚くなっているのだから血圧や血糖値が正常よりやや高めのほうが、一般的に頭がシャキッとする。それを選んでいいのではないか

高齢になると栄養にしても、過剰の害より不足の害のほうが大きくなる。やや太めの人のほうが健康長寿なのはそのためだ。

高齢者の交通事故にしても、~こういうことの原因に血圧の下げ過ぎや血糖値の下げ過ぎ、あるいは塩分の控えすぎによる低ナトリウム血症がなり得る。

私が繰り返し本で述べているのは、長生きにとらわれたり、検査データにとらわれたりするより、自分からみて頭がシャキッとしていたり、元気だと思える状態が大切だということだ。そうしたら本はバカ売れしたのである。


「企業はもっと高齢者向けのマーケティンングに注力すべきだ。実際私はそれをやって成功している。」ということでしょうか。

「血圧は下げなくていい」「血糖値は下げなくていい」「太っていてもいい」という、自分の臨床経験だけから導き出した結論を本に書くのは間違っています。
それには科学的な根拠がないからです。

和田氏は高齢者に本を売るためにはどうすればいいかを考え、高齢者が喜ぶような医学情報を提供しようとしています。

もはや医師という資格と経歴を持った、高齢者に強いマーケターでありインフルエンサーということだと思います。

であれば、そういう人の言うことはうのみにしてはいけないし、用法用量を守って学びにのみ使うべきです。

 

和田秀樹氏の本「60歳からはやりたい放題」を読み解く

このところ本屋で和田秀樹氏の本をよく目にします。

70代、80代向けの健康関係の本が多く、かなり売れているようです。

中には60代が対象になっているものもいくつかあります。
その内容にはかなり疑問があります。

60歳からはやりたい放題(2022/9/2)

試し読みの前書きはざっとこんな感じです。
・日本人は、歳を取るごとに不安になり、節制し、備えなければと考えるようになる
・私はその考えには反対で、60代からは「やりたい放題」に生きるべき
・そうすることで若さを保ち、頭を鈍らせない
・不安への対処法は、それが起きた時の具体策を考えておくこと
・老いは避けられないので上手に付き合う
・現場で得た結論は、予防医学、我慢を強いる健康法は老化を速めてしまうということ
・ダイエットするより、好きなものを楽しむ方が長生きできる
・自分に我慢を強いてチャレンジをやめることによる「心の老化」が恐ろしい
・若くて体力も柔軟性もある60代から、徐々に老いについて知っておくことが望ましい


疑問なのは、

▼第1章:60代以降は「嫌なことはやらない」
・「嫌なことはやらない」のが、60代以降の鉄則

⇒やるべきことはやるべきです。わがまま老人になってはいけません。嫌なことにもチャレンジすべきです。自由に生きることは、自分勝手に生きることではありません。

 

▼第2章:好物を食べれば脳も体も健康に!
・塩分不足は命を左右する
・60歳以上ならばタバコはやめなくていい

⇒もともと塩分を取り過ぎだから控えるのは当たり前の話です。
⇒タバコは体にいいことは何もありません。死ぬ間際なら思い切り吸ってもいいかもしれませんが、あと20年30年の人生があるかもしれない60代には当てはまりません。
生活習慣を改善した方がしないより健康になるはずです。改善しなければそれなりの健康状態になるだけです。

 

▼第3章:「新しい体験」で前頭葉も活発に
・スポーツはやりすぎないほうがいい

⇒フルマラソンだったらやり過ぎかもしれませんが、60代ならきついトレーニングをやるべきです。

 

▼第4章:良い医師や病院の選び方とは?
・健康診断を受ける価値はない
・健康診断の数値が正しいのかを証明する証拠はない

⇒健康診断で自分の現状を知り、事実を受け入れることは大事です。
⇒数値は科学的に認められた測定装置で計測した結果であり、素人が疑う余地はありません。その数値がどういう意味なのかは、その後の専門医による診察で判断すべきことです。


なぜこんなおかしなことを言うのだろうと最初は不思議に思っていましたが、読んでいくうちにだんだんその理由がわかってきました。

和田氏の主張は、体の健康だけにこだわらず心の健康も重視すべきということです。彼は精神科医なのでなるほどと思います。

体を健康にするために検査、治療、食事制限、行動制限をしても、それで心の健康を損なってしまってはかえって悪影響を及ぼします。

思い切って検査、治療、食事制限、行動制限をやめてしまい、それで精神状態が改善するなら、そちらのほうがいいというのは一理あると思います。


しかし、これはおそらく多くの団塊の世代の70代、戦前生まれの80代にヒアリングしてきた経験にもとづいた結論だと思います。

70代、80代になったらこうすべきということであり、年齢的にも世代的にも、いまの60代には2重に当てはまらないと思います。

今の60代はこれを真に受けてはだめで、一部を取り入れるとしても75歳くらいになってからではないでしょうか。

 

医者は信用できるか

医者は信用できないかも、と思う理由はいくつかあります。

1.コロナで間違えてばかりいる
2020年春にニューヨークで急増したコロナ患者を診察している医師が「東京は2週間後にニューヨークになる」と言っていました。
素人目にもあり得ないことで、もちろんそんなことはありませんでした。
ニューヨークで最前線で治療している医師がなぜそんな間違いをするのかと、その能力について大いに疑問を持ちました。

 

2.コロナワクチンは打ってはいけないという医者がいる
感染がなくならない、接種後に死亡する例がある、というのがその理由です。
ワクチンにはメリットもデメリットもあります。
メリットは効果が実証されていることです。世界中で治験され、その後世界中の人に打たれています。
あとはそのバランスだと思います。
なぜ一方的にそんなことを言うのか、その能力について大いに疑問があります。

 

3.がんは治療しないほうがいいという医者がいる
初期の小さながんは簡単な手術でとってしまうことができ、完治します。
それなのにそれをやらないというのは明らかに間違っています。
抗がん剤についても、副作用がありますが、何割かは効果が大きい場合があるので、それを否定するのは間違っています。
科学的根拠が十分ある治療法を完全否定するのはあり得ません。
そういう医者の能力について大いに疑問があります。


考えてみれば、いちがいに「医者は信用できる」「医者は信用できない」というのはおかしくて、医者によって違うはずです。
信用できる医者と信用できない医者がいるはずで、それを見抜くことが大事です。


医者にも専門分野があります。医者だからといってコロナのことが分かるとは限りません。
コロナについてテレビでコメントする医者が多いですが、
感染症の専門家でなければ的確な答えはできないはず
感染症の専門家であっても、今回のようなパンデミックでどうすればいいかは明確に答えられないはず
と考えると、参考程度に聞いておこうと考えられるはずです。


そして患者の状況によっても違います。どんな病気、どんな問題なのか、何歳なのか。
「がんは治療しないほうがいい」と60歳に言うのと100歳に言うのでは意味が違います。
前者は間違いであり、後者は正しい場合もあるでしょう。


高齢者になったら間違いなく医者と関わることになるので、関わり方をよく勉強すべきです。
そして、どの医者が信頼できそうかを考え、その言うことが正しそうか見抜き、医者とうまく付き合って、医療サービスをうまく使うべきです。

そして最後はあきらめが必要です。

 

年金暮らしの人が伝えたい2つの後悔と2つの誤算とは

【しらべてみたら】突然の病気や会社の倒産・・・・年金で暮らす人の「後悔と誤算」(FNNプライムオンライン)

2つの後悔とは、
1.貯金しておけばよかった
2.正社員で働き厚生年金に加入しておけばよかった
です。

貯金はわかりますが、正社員でフルタイムで働くのは負担が大きいし、女性の場合は家事や子育てとの両立が難しかったはずなので、どうしようもなかったのではないでしょうか。

 

2つの誤算とは、
1.妻や夫の突然の病気
 多いのが認知症
2.年金額が下がったこと
 受給額が減るうえに介護保険・健康保険の天引き額が増え、手取りが減ったこと
 さらに物価が上がっている
です。

歳を取れば病気になるのはある程度予測できていたことで、仕方がないことです。

本当に誤算だったのは年金の手取りが減ったことだと思います。

 

本来、年金は生活を維持するために支給されるものであり、物価に連動して増減されるべきです。
それなのに、マクロスライドで名目の支給額が減らされ、介護保険・健康保険で手取りが減らされ、さらに物価高で実質の金額も減らされています。

介護保険・健康保険のためとはいえ、物価に関係なく手取りが減ってしまっては年金が信頼できなくなります。

さらに問題なのは、目立たないようにほんの少しずつ減らされていることです。
毎年1%以下でも20年後には10%を超えているかもしれません。

いつの間にか貯金が減るスピードが速くなり、働いて稼ぐことができない年齢になって気が付いても何もできず、困窮するということになりそうです。

対策としては、貯金を多めに保つとか、さらに節約するとか、常に家計に注意を払うことが必要でしょう。

 

IT業界でシニアは今後必要とされるようになるのか

IT業界で働いている人なら誰もが50歳を過ぎてやっていけるだろうかと考えると思います。

大企業で希望退職募集がなくならないなどの状況をみると、現在のところは必要とされていないように見えます。

ただ、IT業界も他業界と同様に人手不足と言われていることから、今後はシニアでもだんだんと必要とされてくるのかもしれません。


「IT業界 50代 ブログ」で検索すると、人材紹介会社や研修会社による「50代未経験でも活躍できます!」といった広告のような記事のほかに、個人の体験談を見つけることができます。

フリーランスエンジニアは50代、60代でも活躍できます!!(GRUSブログ)
すでに活躍中のフリーランスエンジニアが、プロジェクトマネージャーなら案件がたくさんありますと説明しています。経験豊富であるがゆえにやっていけるそうです。


アラフィフ技術者が転職してみた(Monex Engineer Blog)
外資系IT企業に新卒で入社し、その後50代で初めて転職した実体験を紹介しています。
長らく「ITスペシャリスト」というロールで働いてきたが、転職サイトのオファーはプロジェクトマネージャーかコンサルタントであり、それは望まない職種であるため、開発作業を行う職種を募集している企業に直接申し込み、転職できたそうです。


IT人材が不足というウソとSE35歳定年説の謎(BAMV合同会社)
・IT業界は人材不足という割には採用のハードルが高い
・35歳で定年という意味は、その年齢で明らかに市場価値が下がると言うこと
・加齢による市場価値の低下は、なくならず、むしろ促進しうる


つまり50代以上で転職する場合に考えるべきことは、
・市場価値が下がっている=求められていない
・60代はさらに求められていない
・それでもプロジェクトマネージャーやコンサルタントは求められている
・開発者なら企業に直接応募するといいかも

やはりIT業界では50代以上での転職はかなり不利で、今後も変わらなそうです。

年長者が求められない業界にいることを自覚すべきであり、求められていないところにいても活躍できる確率は低くなります。

最初の決断は40代で別の業界に転職するかどうかでしょう。
それが難しいなら、今の会社で仕事を探し、最後まで今の会社にしがみつくかです。
まずは大まかな作戦を考えるべきでしょう。

次に転職サイトだけに頼らず、自分が活躍できそうな会社を探して売り込むなど、自分にあった作戦を考えないとだめだと思います。
そうしないと不得意かつやりたくない職種を、生活のために続けざるを得ないことになってしまいます。

IT業界の50代以上での転職は、かなりハードルが高そうです。

50代後半を「消化試合」にしないなら定年後再雇用で大きなショックがきますよ

NEC、さらば役職定年 50代後半「消化試合」にしない(日本経済新聞)

NEC実力主義で約1000人を管理職に復帰させ、シニアの力を生かす。

とありますが、その1000人の管理職が60歳で定年後再雇用になったらどうなるかはこの記事に書かれていません。


定年後再雇用になると、権限はなく、会議に呼ばれず、情報が遮断され、派遣社員以下の待遇になります。
そして専門家として、一スタッフとして現場で活躍することが求められます。

そのため、本来は役職定年後の5年間で専門性、現場力などのスキルを身につけるべきです。

それができれば、定年後の5年間、あるいは今後は10年間の再雇用人生にうまく移行できる可能性が高くなります。

それなのに、60歳まで管理職を続けてしまったら、変われるチャンスを逃してしまうことになります。

管理職から定年後再雇用への移行はあまりにも落差が大きく、逆にそのショックが問題になってしまうと思います。

 

64歳で働く時間を減らすとプラスが大きくなりお得です

働く時間を減らすと、自分の時間が増えるメリットと給料が減るデメリットがあり、どっちを取るか、と考えるのが普通です。

しかし64歳に限っては、定年後再雇用の最後の年であり、デメリットを減らせる仕組みがいくつかあってトータルでプラスが大きくなりお得です。

 

■64歳でのメリット
・健康保険料、介護保険料を下げることができる
・特別支給の老齢厚生年金をもらう場合、給料を減らすことで所得税率を5%に保てる
・高年齢雇用継続給付金の15%のうち6%が年金から引かれるので、給料を減らすことで給付金を減らし、年金のマイナス幅を減らすことができる

 

■65歳以降のメリット
・65歳と66歳の2年間の任意継続の健康保険料を下げることができる
・65歳の介護保険料を少し下げることができる

 

つまり64歳で働く時間を減らすことにより、64歳の税金・保険料を減らせるだけでなく、65歳と66歳の保険料も減らすことができます。


64歳で働く時間を減らす一番大きなメリットは、リタイアする準備ができることです。
いつかは仕事をやめます。
フルタイムで働いていて突然やめるよりも、間に週3日くらいの勤務を挟むことでショックをやわらげることができます。

その準備をいつすべきかと考えると、2020年定年世代は、平均余命的にも、健康寿命的にも、制度的にも、64歳がベストのタイミングだと思います。