YukunP’s diary

古すぎる「定年」のイメージを変えたい! 今の定年は違うんです

年金支給額を減らすと消費が減って成長率も下がります

年金支給額を減らすのはいいことだ、という風潮があると思います。

そうすることで現役世代の負担が減り、世代間格差が小さくなるからです。

 

高齢者の犠牲のもとに年金制度が安定し、持続可能になって全体としてはよかったということになるかもしれませんが、実はそうでもありません。

年金はすでに少なくなっています。
これが今後さらに少なくなっていくと、多くの高齢者の生活が苦しくなります。

だいたい現役時代の給料が平均以下の人は暮らせないくらい、平均以上の人でも苦しい、という感じになると思います。

高齢者の貧困がかなり増えるでしょう。


今の高齢者の貧困の主な原因は、会社員でなかった、病気で働けなかった、まったく貯金をしなかった、無駄遣いがやめられない、といったところだと思います。

将来の高齢者は、ある程度給料をもらっていた人、普通に暮らして多少貯金があった人、節約できている人でも貧困になると思います。
自宅を売らないと暮らしていけないという高齢者も増えるでしょう。


高齢者の貧困の悲惨な状況はすぐに知れ渡ります。

これを知った現役世代はどう思うでしょうか。

自己責任で足りない分は個人で備えてくださいということかもしれません。
それは今の風潮に合っているのかもしれません。
そのためにiDeCoとNISAの制度を作ったのだからこれからは自分で資産形成すべきかもしれません。


そうなると、現役世代は個人で備えるために消費が控えられます。
どれくらい備えれば十分なのかわからないので、多めに備えることになります。

高齢者世代は消費したくても生活するだけで精一杯になります。
あと何年生きるかわからないため、不安が高まってお金を使えません。


結局、現役世代も高齢者世代も消費しないことになります。
個人消費がマイナスになり経済が回らなくなります。

消費できるのは富裕層と、収入の高い現役世代と、余裕のある高齢者だけです。
富裕層は人数が少ないので高額品以外の消費には影響力がありません。
余裕のある高齢者であっても、将来が不安であれば消費しません。

消費を主導できるのは収入の高い若い世代、年金だけで暮らせる不安のない高齢者世代だけであり、その数が年々減っていくなら消費も減っていくことになります。


十分安心な年金を支給するというのは消費のために必要なのに、それをやらない方向になってしまっていて、今のところその方向を変えようという声はありません。

少子化、人口減少があるのに、これに消費の手控えが加わるなら、成長率は予想を超えて下がるしかないと思います。