YukunP’s diary

古すぎる「定年」のイメージを変えたい! 今の定年は違うんです

シルバー民主主義とは

この記事が一番詳しいです。
「シルバー・デモクラシー」の虚偽(SYNODOS 吉田徹)

そもそも「シルバー・デモクラシー」は何を意味するのか――もっとも早くこの言葉を使ったのは、著名な政治学者だった内田満が1986年に著した『シルバー・デモクラシー 高齢社会の政治学』(有斐閣)だと思われる。ただ、これは長寿社会を迎える日本で、高齢者がいかに政治参加への回路を主体的に切り開くのかを問うた著作であり、この用語を現在のような意味合いで使ったものではない。

 

財政学が専門の島澤諭は、いくつかの「シルバー民主主義」の指摘をまとめて、これを「高齢者が数の力を背景に投票プロセスを介して政治を支配し、高齢世代に都合の良い仕組みを構築・維持しているため、若者が困窮しているという現状認識」のことだと定義している

 

シルバー・デモクラシーがなぜ問題なのかを主張するものには、3つのバージョンがあることが確認できる。

1.高齢者偏重の社会保障制度が維持されて、将来世代の利益が喪失される
2.社会保障支出のうち、年金と医療の支出が8割を占めるが、その受益者が高齢者であるために財政支出改革に手をつけられない
3.若年層が政治に参加しないため、「老人支配」の社会を創り上げている

しかし、これらに対しては論拠の前提に難があるとしています。

1.日本の公的年金所得代替率は欧州大陸諸国の半分程度に過ぎない
2.高齢者が投票するから社会保障制度が拡充される、という因果関係は発見できない
3.アンケートをとると、具体的な政策は世代別であまり違いがなく、若年層が政治に参加しても異なる政策が選択される可能性は大きくない


ではなぜ根拠の薄いシルバー・デモクラシー論が広まっているのでしょうか。
その理由を2つ指摘しています。

・主権者教育が不十分で、民主政治の理解が単純なものになっているから
・若年層の将来期待と世代間連帯の意識が低いから


この理由は抽象的でちょっとよくわかりません。考えられるのは、

・若い世代を中心に、高齢者の年金、健康保険、介護保険のために多くのお金を取られているという不満がある
・年金、健康保険、介護保険の制度は長い間改革を続けており、もはやここから大きく変えることは難しい
・変えられないのはシルバー民主主義のせいだ、とすればわかりやすく、国民に納得してもらえそうだ
・日本では高齢者は叩いてもいいという風潮があり、悪者にしても問題にならない
・シルバー民主主義を利用すれば、その他のいろいろな制度も変えられそうだ

ということではないでしょうか。
シルバー民主主義を喧伝している人たちは、高齢者が反論しないのを良いことに、やりたい放題やっている感じです。