定年後の問題でよく言われるのが「家に居場所がない」ですが、これがどうもピンときません。
おそらくそういう人は定年前から家に居場所がないのであって、会社に行かなくなったために問題が表に出てきただけだと思います。
定年になりこれからは家でのんびりしたいと考えていたのに家に居られないというのは残念なことです。
定年後は家が基本の居場所だと思うのですが、なぜ、居てはいけないのでしょうか。どうすれば居られるのでしょうか。
なお、家に居たくない人は除きます。ずっと外で動いていないと我慢できない人は問題ありません。
いろいろ調べると、家に居場所がない理由は家族と衝突するためであることがわかります。
家での仕事量が極端に偏る、役割がないので存在感がなく信頼されていない、お金以外は頼りにされていない、という状況が長く続き、家族に不満が蓄積します。これが背景にあります。
そして、いままで家族のために仕事一筋で40数年かんばってきたので、これからはのんびりさせてもらおう、という本人の意識が加わります。
さらに、自分の価値観を押し付ける、上から目線の言動、家で管理職のように振る舞う、が引き金になります。
「(女は)ちゃんと結婚して子供を産んでこそ一人前だ」
「誰の金で生活できると思っているんだ」「お茶を入れてくれないか」
そして関係が修復不可能になり、家に居られないとなります。
この状況だとできるだけ外に出て欲しいと言われてもおかしくありませんが、本人にはそれが理解できません。
この問題を解決するため、講習を受ける、カウンセリングを受ける、などして現状を認識してもらい、改善してもらう方法が考えられますが、そんな講習は聞いたことがないし、よほど深刻にならないとカウンセリングを受けるまでには至らないでしょう。
家族との衝突は世代に限らず起こっているので、この問題は今後もなくならないと思います。