YukunP’s diary

古すぎる「定年」のイメージを変えたい! 今の定年は違うんです

3つの定年本を比較してみました

楠木 新氏の「定年後 - 50歳からの生き方、終わり方」
大江 英樹氏の「定年前 50歳から始める「定活」」
成毛 眞氏の「俺たちの定年後 - 成毛流60歳からの生き方指南 -」

この3人は年齢がだいたい同じです。(1954,52,55年生まれ)
これらの本は同じくらいの年に出版されています。(2017,19,18年)

定年に関する本は他にもありますが、現在70歳を超えるような著者だと世代やいろいろな環境が違うので参考にするのは難しく、この3人のような5歳くらい年上の先輩の著書が一番参考になるのではないかと思います。

この3冊は定年後の生き方をアドバイスする内容ですが、楠木氏と大江氏は共通点が多く、成毛氏は全く違います。

楠木氏、大江氏
・読者の対象は50歳前後
・主張は、起業して第二の人生を輝かせる、そのために50歳から準備する
・妻とは距離を置く、亭主元気で留守がいい
・定年後は精神的な居場所が必要(大江氏は言及なし)
・同窓会やビジネスを通じて同世代とつきあう

成毛氏
・読者の対象は60歳前後
・主張は、仕事をせず遊ぶべき
・妻は必須、妻の趣味を真似る、一緒に旅行
・定年後は物理的な居場所が必要、自宅に作ることをすすめる
・一方的に奢るなどして若者とつきあう

楠木氏、大江氏の本は、つまりは自己啓発本であるということです。
著者の定年後のビジネスの成功体験が語られ、誰でも当てはまるかのように書かれていますが、そんなはずがありません。
そこからヒントを得るにとどめ、用法・用量を守って正しく使いましょう、ということだと思います。

また、二人とも大企業出身なので十分な厚生年金プラス企業年金があることが前提となっていることも考慮すべきです。

成毛氏の本は、自身と周りの知人の事例を紹介する内容です。
このためか、Amazonの書評には「持論を書き連ねてあるだけで、何の見通しも根拠資料もない。~表紙にドヤ顔で写っている著者を見た段階で本書の底の浅さに気付くべきでした。」と批判されてしまっています。
俺ならこう遊ぶ、という内容なので根拠があるはずがないし、底が浅いのは仕方がないことです。

成毛氏はお金持ちで普通の人ではありません。
クルーズで世界一周しているという話があります。それは日本から海外の乗船地に行き、2週間くらいクルーズして日本に帰るという旅行を世界中で繰り返すやり方です。

普通の人はそこまではできません。成毛氏のお金が少ないバージョンを自分なりに作るのがいいのではないでしょうか。