YukunP’s diary

古すぎる「定年」のイメージを変えたい! 今の定年は違うんです

大江 英樹氏の著書「定年前 50歳から始める「定活」」を読み解く

定年前 50歳から始める「定活」 2019/1/11

大江氏は1952年生まれで2020年に定年になった人より8歳上の先輩です。世代としては団塊の世代との中間です。

2012年に野村證券で定年になり、同年に起業し、講演・研修・執筆活動を行っています。(ダイヤモンド・オンライン 著者ページより)


Amazonの試し読み部分と目次はざっとこんな内容です。

第1章 定年後「7つの勘違い」
「こういう生き方を提案したい」というのではなく、みんなは「勘違い」しているのだという、上から目線が特徴です。

資産運用が専門であるためかお金の話が多く、それを除くと、
・無理に地域の人達と付き合わなくてもいい
・妻とは適度な距離感を保つ
・投資よりも自分が働こう
・再雇用より独立を

第4章 今日から始める「定活」
50代での起業準備について説明しています。
・副業のススメ
・役職定年を準備期間に活用
・定年男子のヨコのコミュニティを作る

第5章 老後準備
ここで急にレベルが下がります。団塊の世代に近いからでしょうか。起業準備はハードルが高いのでバランスを取ったのかもしれません。
・家事のススメ
・個人旅行で自立の一歩を
・学ぶことの楽しさを知る
・笑顔と姿勢に気を配る
SNSを有効に使う


著者の言いたいことは、「はじめに」に書かれているように、50歳から定年後の起業に備えて周到に準備しておけばお金も生活も心配いらない、ということだと思います。

この本も50歳前後に向けて書いています。
楠木 新氏の言う悲惨な「定年後」に対し「定年前」に準備すべきだと言っているだけで言っていることは同じです。
60歳前後以上の人はもう手遅れであり、読んでもあまり意味がありません。

繰り返し「過剰な不安を持つ必要はない」と説いていますが、それは50歳からの活動が順調に軌道に乗っていることが前提です。

「定年後の稼ぎは夫婦で月8万円でよい」というのは理解に苦しみます。人によって資産や年金の状況がかなり違うからです。

「(厚生年金も企業年金も十分あるのだから)60歳で起業して稼ぐのは月8万円でよい」ということであれば、今はそんなにもらえないので昔の話に過ぎないということになります。

これに限らず、著者自身のやり方を紹介してこうすべきだと説いていますが、あまり一般的とは思えず、多くの普通の人は参考にしにくいと思います。