YukunP’s diary

古すぎる「定年」のイメージを変えたい! 今の定年は違うんです

楠木 新氏の著書「定年後 - 50歳からの生き方、終わり方」を読み解く

定年後 - 50歳からの生き方、終わり方 2017/4/19

楠木氏は1954年生まれで2020年に定年になった人より6歳上の少し先輩です。世代としてはだいたい同じです。

2015年に大手生命保険会社を定年退職後、起業し、2018年4月より大学教授として活躍しています。人事関係の著書が多いです。(Wikipedeaより)


Amazonの試し読み部分はこんな内容です。

・知人の再雇用の条件が週3日という話
 これでも居場所があるということなので悪くはない
 定年退職者の中には働かなくて済む余裕があるから困っている人もいる
・ライフプラン研修の話
 定年時点から心機一転、新たにスタートというわけにはいかない
 定年後の生活は、心持ち・気分が大事
・著者が47歳のときに休職した話
 定年後の予行演習ができた
 定年退職した先輩に話を聞いたら皆元気がなかった
・著者が行う研修の話
 参加する50歳前後の社員は定年後のことを考えていない
 彼らに「子どものころを思い出して」と言ってもできない
 (これはおそらく自己理解のために好きなことを思い出させるため)
・人生は後半戦が勝負と言う話
 若い時に不遇であっても定年後が輝けば一変する


著者の言いたいことは、定年後も変わらず全力で現役時代と同じように働き続けるためには50代から準備すべきであり、そうしないと悲惨なことになりますよ、ということだと思います。

この本は副題にあるように50歳に向けて書いています。
60歳前後以上の人はもう手遅れであり、読んでもあまり意味がありません。

定年後も変わらず全力で働き続けるということは、起業することを意味します。
転職だと転職先の会社で定年を迎え再雇用終了を迎えることになり、期間限定であって、全力ではなくなるからです。
楠木氏が成功しているから起業することを勧め、そして成功することをイメージしています。

この働き方は外に出ることが前提となっています。
第3章の「亭主元気で留守がいい」からわかるように、家に居ないことがいいことだとしています。


ただ、現在50歳前後の気持ちで考えると今は仕事が忙しくて考える時間がないはずであり、定年後の準備をするのはかなり難しいと思います。

彼らに定年後はこういう生き方をしたいかと聞いたら、多くの人はそうは思わないと答えるのではないでしょうか。

FIREに憧れつつ、それは無理そうだけどせめてこのまま粘ってできれば60歳、遅くとも65歳までにはリタイアして悠々自適に暮らせればいいな、などと思っているのではないでしょうか。

そうだとすると、残念ながらこの本は50歳以下の心には響かないかもしれません。