YukunP’s diary

古すぎる「定年」のイメージを変えたい! 今の定年は違うんです

あなたの会社は定年後再雇用社員をできるだけ早くやめさせたいと考えていますか

雇う側の立場で考えてみると、定年後再雇用社員は給料が安く教育の必要がないので、ある程度仕事ができればよく、便利な存在のはずです。

同じ仕事を派遣にやらせると高くつきます。
派遣には最初から説明する必要があり、その後もコミュニケーションが発生し、手間がかかります。

だから定年後再雇用社員を5年間できるだけ使い倒せれば、結構コスパがいいはずです。


しかし、現状を観察するとどうもそう簡単ではないようです。
定年後再雇用社員をできるだけ早くやめさせたい、仕事ができない人はもちろん、仕事ができる人も追い出したい、仕事をさせたくない、と考えているように見えます。

例えば、

1.仕事を与えない

上位の元管理職が新人のやるような仕事をやっていることがあります。しばらくして5年経たずに退職しました。
いわゆる「高年齢者のニーズや知識・経験・能力等に応じた業務(厚生労働省資料より)」を与える必要があるのですが、そんなことは無視しています。

元平社員には暇そうに見えても新しい仕事を与えません。このため、時間がたつにつれて仕事が少しずつなくなっていきます。
5年もあればかなりの仕事が整理され、廃止され、なくなります。
1年目は忙しかったのに、2年目から余裕が出てきて、3年目くらいでかなり暇になっていきます。


2.若い組織が良い組織であると考えている

社内で社員の高齢化が問題になっていると聞いたことがあります。
高齢社員に大変失礼な話ですが、経営・人事には失礼だという意識はないようです。

若い組織が良い組織だと考えている会社は他にもあります。

そごう・西武の奇策「再雇用者リストラ」のわけ(東洋経済Online)

今回の希望退職実施について、会社側は「組織全体の若返りを図ることが狙い。また、社会が高齢化していく中で、60歳を超える社員の転職支援という意味もある。ワークライフバランスを見直すきっかけになれば」(広報担当者)と説明する。

目的はベテランを追い出して平均年齢を下げたい、ということです。
ベテランをうまく使おうという発想はありません。

とにかく若者を集め、中年の管理職と一緒に何か新しいことをやってくれる、大きな成果を出してくれるのを待つ、というやり方です。


3.65歳より前にやめさせる制度を作ろうとしている

40代50代での希望退職制度を、定年後再雇用者に広げようとしています。

定年後再雇用の趣旨に反する行為ですが、全く疑問に思わず進めようとしています。

ベテランをどんどんやめさせればそれだけ若者を雇える予算、人数の枠が増えるので、それでよしとしているように見えます。


その理由を考えてみると、

1.まとめて一掃したい
できる人がいなくなってしまうが、できない人がいなくなるメリットは大きい。

2.ベテランは扱いにくいので扱いたくない
元部下が上司になり、その下で働いていると、どうしても間違いを指摘する場面が出てきます。
知っていて指摘しなければ「どうして知っていたのに黙っていたのか」ということになり、これだとやりにくいと思います。

3.変わらない組織より変わる組織がいい
いつまでも同じ人に依存したくないようです。

4.評価の仕組み
ベテランをうまく使うことは評価につながりません。すでにスキルがあるので、ベテランの成果となり、管理職の成果にはなりません。

ベテランをまとめてリストラすると仕事ができなくなりますが、その場合は若手と頑張って対応すれば若手が成長した、成長させたことになり、評価が上がります。
うまくいかなくても頑張りが評価されます。
だったらこちらの方がよく、それをやりたいというとなのでしょう。


自分の会社、つまり経営層がベテランを追い出したいと考えているのかをまず認識する必要があります。
こういう会社、経営層だと再雇用で5年間働くのは難しく、かなりの準備とスキルとメンタルが必要です。