YukunP’s diary

古すぎる「定年」のイメージを変えたい! 今の定年は違うんです

「グロソブの島」とは

「グロソブの島」とは小豆島のことです。

高齢者金融トラブル続出 瀬戸内が危ない(日経ビジネス 2015年11月30日号)

2000年代前半以降、「小豆島=投資好きの富裕層が暮らす島」というイメージが全国的に広まってしまった。きっかけは、当時、絶大な人気を誇った投資信託グローバル・ソブリン・オープン(通称グロソブ)」が現地で爆発的に売れ、一部メディアで「グロソブの島」などと紹介されたことだ。

この背景には、

・小豆島では、オリーブ、しょうゆ、そうめん、つくだ煮、ごま油、石材などの地場産品が多く、富裕層が多い
・島内に娯楽が少なくカネの使い道がないため、投資に回せる資金が多い
・地域の人々の多くは顔見知りのため、『投資信託でもうけたカネで車を買い替えた』といった噂はすぐ伝わる。遅れてなるものかと、資産を持つ島民の多くが投資に走ってしまった

といったことがあるようです。

グロソブとは、主要先進国ソブリン債券(政府や政府機関が発行または保証を行っている債券の総称)を主な投資対象とするもので、毎月分配型投資信託の先駆けです。

7000円前後の基準価額で60円の分配金が毎月出ていたそうで、
例えば、7000万円投資すれば、毎月60万円が入ることになり、年利10%以上です。

2007年頃、人口が3万人程度の小豆島で約100億円分のグロソブが保有されていたということです。


このイメージが全国的に広まった結果、小豆島が金融詐欺、投資詐欺のターゲットとなってしまいました。
・キャッシュカードと暗証番号をだまし取ろうとする詐欺
・架空の投資話で現金をだまし取る詐欺
インドネシアロンボク島の金鉱山開発への投資詐欺
・老人ホーム入居権の販売詐欺

これらは“裏”の金融詐欺業者による犯罪ですが、さらに“表”の金融業者もやってきました。金利が下がって分配金が減ったグロソブに代わる金融商品を売るためです。

リスクが少ない投資商品としてグロソブを選んでいた投資家たちの多くは、期待を下回る分配金への対策として、株式や、よりリスクが大きい投資信託への投資にシフトしてきた。

多くの投資家がグロソブの次に向かったのが、海外の株式や債券などを、新興国通貨建てで運用する通貨選択型投資信託だったからだ。

小豆島にも様々な証券会社が押し寄せ、「数年前までは、レアル建ての投資信託を売りまくっていた」(大手証券会社の営業担当)という。

 

高分配が続いていたレアル建ての投資信託の雲行きが急速に怪しくなったのは2013年に入ってからだ。米国の利上げ観測が強まったことを機に、新興国の通貨が軒並み安に陥る。


運用成績の悪化を受けて、代表的な銘柄である野村アセットマネジメントの「野村米国ハイ・イールド債券投信(通貨選択型)ブラジルレアルコース(毎月分配型)」は2011年のピークから、2015年10月末までの間に残高が2割以下まで減少。全国的に見れば、パニックに陥った投資家は手じまいを急いでいる。

 

野村のような日本を代表する証券会社が、外国通貨の毎月分配型投資信託という、高リスクのたこ足ファンドを売りまくっていたということです。

2015年頃のこの状況が、2023年の今は改善されたという話はありません。
これでは貯蓄から投資と言われても、ほとんどの日本人は怖くて投資をやらない、ということになると思います。