YukunP’s diary

古すぎる「定年」のイメージを変えたい! 今の定年は違うんです

クワイエット・クイッティングとは

「クワイエットクイッティング」とは何ですか?(en人事のミカタ)
「クワイエット・クイッティング」 退職しないが最低限の仕事しかしない状態(BIZREACH)
クワイエット・クイッティングはZ世代からの警鐘(EIS insight)
静かな退職、クワイエット・クイッティングの世代(WIRED)
「静かな退職」は正式な退職よりも大きな問題である(Harvard Business Review)
クワイエット・クィッティング(静かな退職)とは・意味(IDEAS FOR GOOD)
仕事のオンオフ見直す「クワイエット・クイッティング」 米で注目(時事通信ニュース)
「Quiet Quitting(静かにやめる)」とは? 仕事=人生じゃない、“必要以上に頑張らない”働き方(FRONT ROW)
TikTokでバズってる「クワイエット・クイッティング」って何?(日刊ゲンダイヘルスケア)
クワイエット・クイッティング、本気を出さないことの考察(orangeitems’s diary)


これらの中で背景を含めてよくわかるのがHarvard Business Reviewの記事です。
副題に「雇用主が採用すべき3つの戦略」とあるように、雇用主に向けたアドバイスとして書かれています。

・「静かな退職」(クワイエット・クイッティング)とは、与えられた仕事以上のことをやらなかったり、仕事に対する熱意を失ったりすることを指す。
・責任は果たし、職務を放棄しているわけではないので、一見問題がないようにも見える。
・しかし、企業は従業員の役割を超えた活動に支えられており、義務の範囲を超えて働こうとする従業員は重要な競争力である。
・現実には、職務記述書や契約書などで仕事の内容を100%明文化することは不可能であり、企業は、必要に応じてプラスアルファの要求を引き受けてくれる従業員に頼っている。
・必要以上の仕事をする従業員が払っている犠牲は、通常はソーシャルキャピタル(人々との関係性や繋がり)やウェルビーイング(職場での幸福感?)の向上、キャリアでの成功といったメリットによって相殺される。
・静かな退職の広がりは、この帳尻が合っていないと感じる従業員が増えていることを示唆している。

雇用主は従業員に十分な投資や見返りをせずに、さらなる努力を要求しているのだ。経済的な見通しが悪化し、多くの人にとって退職することが難しくなるにつれ、静かな退職はますます一般化するだろう。

つまり、
・企業は労働者が必要以上に仕事をすることによって成り立っている。
・通常は、賞賛や出世によって報われるが、そうでないことも多い。
・これに経済情勢の悪化が加わり転職が難しくなると、静かな退職が増える。
ということでしょうか。


また、WIREDの記事ではアメリカの世代ごとの仕事観の移り変わりを解説しています。

・過去にベビーブーム世代が、会社人間的な親世代を批判した。
・しかし仕事そのものは否定できず、ミレニアル世代に「仕事を見つけろ、そしてその仕事を好きになれ」と伝えた。
・ミレニアル世代は、9・11や金融危機を経て、仕事が自己実現の最終手段であるという考え方を疑うようになった。
・そして、仕事を「ハッキングする」精神、ミニマリスト運動、を通じて仕事は目的達成の手段に過ぎないという考え方を持つようになった。
・Z世代はミレニアル世代とは異なり、自己と仕事を切り離す必要を理解した。
・そしてこの難問に取り組む大ざっぱな出発点としてクワイエット・クイッティングを選んだ。

つまり、
・Z世代より上の世代は、仕事に疑問は持ったが仕事から離れることはなかった。
・Z世代で初めて、人生から仕事が切り離された。
・その最初の取り組みがクワイエット・クイッティングである。
ということでしょうか。


「人の価値は労働によって決まるものではない、仕事が人生ではない」という労働観、人生観が、アメリカのZ世代の知識労働者たちに限らず、日本にも、特に若い世代に広がってきていると思います。

これに対して、「労働者は熱意を持って働くべき」と諭すように論じる記事・ブログをよく見ます。

「仕事を最低限にする社員」は、スキルアップはもちろん、昇給・昇格も望めず、企業側として扱いが難しい社員になりかねません。(en人事のミカタ)

若者だけで流行っているという文脈ですが、こんなの全世代でやってる人がいると思います。50代以上には、もう定年まで逃げ切るぞ、ということで成功することより、失敗しないことに全集中されている人もいらっしゃるでしょう。全く挑戦しないその姿勢も、クワイエット・クイッティングだと思いますね。それが・・20代からこの境地だとしたら、まあ、先はないのかなと。(orangeitems’s diary)


しかし大人の労働観・人生観がそうなっているなら、それに対してとやかく言うことはできないと思います。

40代くらいは、もはやこういう考え方を理解できない世代なんだということがわかります。