YukunP’s diary

古すぎる「定年」のイメージを変えたい! 今の定年は違うんです

健康診断、精密検査、治療はくじ引きのようなものだと思う

健康診断は無料のくじです。
異常が見つかることが当たりです。
当たると精密検査のくじを引くことができます。

精密検査は安いくじと少し高いくじがあります。
「治療が必要」と結果が出ることが当たりです。
当たると治療のくじを引くことができます。

治療も安いくじと高いくじがあります。
症状が改善する、数値が改善して将来のリスクが減ることが当たりです。

治療のくじの中には大当たりがあります。
例えば、放置していたら60代で死んでいたはずの問題が見つかり、簡単な手術で完治し80代まで生きられたとすると、20年の命が得られたことになります。


宝くじと比べると、当たりの確率がそこそこ高いところが違います。


普通のくじと違うところは、
・歳を取ると当たる確率が高くなる
 歳を取ったらくじを買った方が得です。
 これが40歳くらいから健康診断を毎年やる理由です。
 そして60歳くらいから追加の検査を必要に応じてやるといい理由です。

・さらに歳を取ると当たりが小さくなる
 80歳で治療しても延命が数年なら当たりが小さいことになります。
 これが寿命が近づいたら治療を控える理由です。

・歳を取るとくじが高くなる
 治療の負担が体にかかるので、くじが高くなります。
 当たりも小さくなるため、くじを引く意味が急速になくなっていきます。


考えるべきことは、くじのコストが高いのに当たらない場合にどうするかです。
高いくじを引き続けて当たらない状態になったら、そろそろくじをやめるときです。

治療の負担がどれくらい体にかかっているのかを考え、治療を繰り返しても症状が改善しなくなってきたらやめることを考えるべきです。

平均寿命に近づいてきたらやめることも検討すべきでしょう。
この判断のためにも寿命の見積もりが重要になります。

このあたりは医者と話し合いをして決めることになると思います。


心配なのは、医者と患者でくじのコストと当たりの大きさの判定にギャップがあるかもしれない、ということです。

検査と治療は、医者にはメリットがありますが、患者にはありません。

医者は検査と治療を頑張り、どれだけ最善を尽くしたかという過程を重視して自己評価するはずです。

患者は、検査で何も発見されないならくじに外れたことになります。
問題がなかったことがわかったからよかったと言う人もいますが、時間とコストをかけてやったのに何も見つからないならマイナスです。

治療で改善しない場合もくじに外れたことになります。
時間とコストをかけてやったのに全く改善しないならやった分だけマイナスです。

そして検査・治療をしなければよかった、やめようとなります。


医者もそのギャップがわかっていると思います。

しかし立場の違いがあり、医者は医者の論理で物事を進めようとするはずです。


医者は、科学的、統計的に考えます。
標準的な治療は多くの人にメリットがあるように合理的に設計されているはずであり、医者はそれに従って行動します。

しかしそれだと自分が少数派に含まれたときに損をしてしまうかもしれません。
なので、最終的には自分が決定する、あえて確率が低い方、非科学的なやり方に賭ける、という強い意志が必要になってくると思います。

標準的なやり方が本当に自分にとってメリットがあるのか、自分中心に考えてくじを引く、あるいはくじを引かないようにすべきだと思います。