第一の人生は、教育、進路選択、就活、仕事、とステップを踏んで定年となります。
定年後が第二の人生というなら、定年後にもそれらに相当するものがあるべきです。
まず教育ですが、第二の人生に向けての教育機会が全くないと思います。
「学びなおし」「リカレント教育」「リスキリング」はキャリアの用語です。現役の社会人が対象であり、ビジネスが対象です。第二の人生に向けたものではありません。
シニアには、法律・制度、生活、健康維持など、学ぶべきことはたくさんあるはずなのに、全部自分で調べ、考えて、自分を教育しなければなりません。この状況はかなり無理があります。
これはシニア間の格差の原因になると思います。
次に進路選択ですが、定年後は何をするのか、何をやりたいのかわからない人が多いようです。これは高校生、大学生と同じ悩みです。
高校生には進路指導、大学生には就職ガイダンスがありますが、定年した者にはありません。
就活・仕事については、本格的に働きたいなら再就職をするか、パート・バイトを掛け持ちすればよく、いままでの延長なので話は簡単です。
問題は働かない場合です。
第二の人生には働かないという選択肢があります。その場合に何をするのでしょうか。
自分は何がしたいのか、何をするのか、どう生きたいのか、考える必要があります。
何割かの人はすでに考えており、60歳、65歳で移住とか農業とかを計画通りに実行する人はいるでしょう。
大部分の人は具体的な計画はなく、なんとなく時期が来たら仕事をやめてのんびりしたい、とぼんやり考えるだけではないかと思います。
時期が近づくにつれて、いつから何をするのか、答えが見つからずに焦るということになってしまいます。
あるいは時期が来てからこんなはずじゃなかったとなります。
シニアも高校生、大学生と同じように自己分析をして、自分探しをすべきですが、シニアには導いてくれるものがありません。
もちろん最終的には自分で決めることですが、導いてくれるものが全くないというのは困ったことです。