YukunP’s diary

古すぎる「定年」のイメージを変えたい! 今の定年は違うんです

年金の繰り下げ受給を再び考える

 このところ年金の繰り下げ受給を勧める記事が目につきます。とくに日経新聞のWebサイトでよく見ます。

 実際に相談が多いらしく、繰り下げする際の注意点をまとめた記事が同じ日経新聞のWebサイトに出ています。

 年金増やし長生きに備え 「繰り下げ受給」の心得 変わる年金(3)

 繰り下げ受給のデメリットは、
 ・手取り金額が65歳受給開始を上回るのは、70歳開始なら87歳、75歳開始なら91歳
  (額面が年150万円の場合)なので、そこまで生存していないと意味がない。
 ・加給年金がもらえない。
 ・増額分が遺族年金には反映されない。
 ・妻の厚生年金を繰り下げて増額すると夫の遺族年金分が少なくなる場合がある。
 ・受給までの収入を確保するため、長時間働くか貯蓄の取り崩しが必要になる。
 です。

 この記事で遺族年金の注意点について初めて知りました。
 妻の厚生年金が夫の厚生年金より少ない場合、夫が死んだ時点で、妻が頑張って厚生年金を繰り下げた努力が一部または全部無駄になります。遺族年金から妻の厚生年金分が差し引かれるからです。

 いろいろな落とし穴があるものです。


 この記事にはありませんが、65歳からもらう場合の年金額と給与の合計が月47万円を超えると、在職老齢年金制度により、超過額の1/2が繰り下げ分から減らされます。

 もし年金が月20万円なら月収27万円を超えると減らされてしまうので、生活のために頑張って稼ぎたいのだが、年金がカットされるのであまり稼ぎたくないという手詰まりの状況になってしまいます。


 本来年金は得かどうかではなく、生活をつなぐために支給されるものです。いろいろなカット策が用意されており、将来新たに導入される可能性もあります。
 そこそこもらっている人がさらに増やそうと欲をかくことは間違っているということでしょう。

 「繰り下げは将来の収入を増やす近道。終身で続く安心感も大きい」という考えで年金の繰り下げ受給をするわけですが、これは「安心」を求め過ぎると損をするということだと思います。