Webの記事などで、若い記者が専門家に、
「60歳を過ぎてなぜ働くのか」
「結局、60歳を過ぎても働き続けなければいけないのですね」
と質問しているのを見ることがあります。
「60歳を過ぎてなぜ働くのか」の答えは簡単で「年金が出ないから」です。
生活費を稼ぐために働く必要があります。
すでに退職一時金をもらっていますが、老後資金なので60代前半で手をつけたくありません。
働かなくていいのは60代前半の5年間の生活費を余裕で出せる人だけです。
5年間の生活費が夫婦で2000万円だとします。
貯金が2000万円あっても、働かないなら65歳でゼロになってしまいます。
貯金が4000万円でも、働かないなら半分の2000万円になります。
どちらも受け入れられないでしょう。
夫がよくても妻が反対します。
もし貯金が6000万円あれば3分の2が残るので60歳でリタイアするかもしれません。でもそんな人はどれくらいいるでしょうか。
1961年4月2日生まれ以降は65歳まで年金はでません。その人たちのほとんどが65歳まで働き続けることになります。
30年40年先に支給開始年齢が70歳になったら、ほとんどの人が70歳まで働き続けることになるでしょう。
「結局、60歳を過ぎても働き続けなければいけないのですね」は、若い記者が現状すら理解していないことを示しています。