50歳くらいの会社員で、ある程度の能力があれば仕事が順風満帆であることが多いでしょうが、持ち上げられている部分がかなりあると思います。
これはだいたい50歳くらいがピークであり、その後55、60、65歳となるにつれて周りから軽く扱われるようになります。
いままで順風だったのが逆風になり、持ち上げてくれないどころか下のほうに引っ張られていきます。年を取るごとに重力が増えるようなものです。
原因は役職定年でポジションを外され、権限がなくなることと、それがわかっているので55歳に向けて影響力を失っていくためです。
定年になると会議に呼ばれなくなり情報がなくなります。今までバリバリに仕事をしていたのに、急に仕事ができなくなります。
そして嘱託という特別な立場にされ、若い契約社員以下の扱いとなります。
これらはそういう制度であり、全員同じなので仕方がないことです。
対策としては自分でなんとか工夫して下げ幅を小さくするしかありません。それでも下がることは防げません。
以上は会社員の話です。独立しているなら関係ないと考えるかもしれませんが、会社員以外でも意外と同じような状況になると思います。
50歳くらいまでのFPとかライフアドバイザーの人が老後について書いている記事を読むと、いつまでも健康でいられる、100歳まで生きる、いつまでも働いて稼ぐことができる、と考えているように見えます。
50歳くらいだと社会的に上に見られて尊重され、仕事も順調で、万能感のようなものを持っているようにさえ見えます。
それが55歳あたりから軽くみられ、尊重されなくなるかもしれません。もちろん人によって時期も違うし、程度も違うし、軽くなる速度も違うでしょう。55歳ではなく60歳以降かもしれません。
原因としては社会的な偏見が大きいと思います。世の中の約9割が会社員であり、その会社員が60歳は年齢的に限界だからという名目で定年になるため、そういうものだとされる先入観があると思います。
もうひとつの原因は外見です。50歳の自分の写真と今とを比べると、明らかに50歳のほうが仕事をやってくれそうな感じがします。今、鏡で見ると老人にしか見えず、これでは期待されないと思います。
会社員もそうでない人も、50歳くらいの人は55歳くらいから急に逆風が吹いて今までとは状況が変わることがわかっていないんじゃないかと思います。
だから若い人が「今は70歳でも健康なのだからずっと同じように仕事ができるはずだ」「年をとってもいつまでも~でいたいし、~ができるはずだ」と書いているのを読むと、そんなに簡単じゃないよ、問題は体力ではなく、それ以外の社会的な逆風が強いですよと言いたくなります。