YukunP’s diary

古すぎる「定年」のイメージを変えたい! 今の定年は違うんです

これからは「年金繰り下げ」が増えるのか?

これからは「年金繰り下げ」が増える その理由とは…(日本経済新聞)

厚生労働省の「厚生年金保険・国民年金事業の概況(令和元年度)」によれば、国民年金分の受給権者3392万人のうち、繰り上げを選択した人が12.3%、繰り下げを選択した人は1.5%だったそうです。
この数字だけをみると国民の判断は合理的ではないように思います。なぜそうなるのでしょうか。

この問題はこれから5~10年で一気に変化する可能性がある、と考えています。なぜなら「最初から年金は65歳から」という発想を持っている世代がこれからは増加していくからです。

1%台をなかなか上回ることのできなかった繰り下げ年金の選択率は、あっという間に上昇に転じていくことになるはずです。


 この記事を書いたのは49歳のFPで、年金受給者のこれまでの判断は合理的ではないと決めつけています。

 いままでは特別支給の老齢厚生年金をもらっていたため、惰性で65歳からもらってしまっており、これがあと5年くらいすると誰ももらえなくなることで正しい判断ができるようになる、という主張です。


 果たしてそうでしょうか。

 年金を繰り下げしない理由はいくつもあります。

 まず、65歳から70歳の間の生活費をまかなえる貯金がありません。夫婦で年300万円なら5年で1500万円必要です。

 働いて年300万円を稼ぐならフルタイムで年1800時間とすると時給が1666円以上必要です。65歳でそんな再就職先はまず見つからないでしょう。

 再雇用を継続できるなら可能ですが、嘱託の立場でフルタイムで10年働き続けるのは難しいでしょう。

 加給年金や税金、社会保険料を考えると70歳からの受給で得をするのは85歳くらいからです。65歳の時点で85歳以上生きると確信できる人はそういません。50歳以降、55、60、65歳と急速に体が衰えるのを実感するからです。

 考えた結果、65歳でもらっておこうとなると思います。

 もうひとつは、繰り下げしてもし早死にしたら、受給総額が少ないのと合わせてダブルで後悔するということです。
 65歳から受給すれば、もし早死にしたら早めにもらっておいてよかったと思い、長生きしたら年金は増やせなかったけれど長生きしてよかったと思えるのでリスク分散ができます。

 だから先輩方の判断は正しいし、このFPの予想はおそらく当たらないと思います。
 さて、10年後はどうなっているでしょうか。