「老後」を辞書で引くと「年老いたのち。年をとってからあと。」とあり、明確な定義がないことが分かります。
「老後はいつから」で調べると、
・平均66.8歳(生命保険文化センター)
・67歳くらい(メットライフ生命)
・「65歳から」と「70歳から」に分かれる(厚生労働省)
といった説明が出てきます。いずれもアンケート調査の回答結果です。
「老後」の明確な定義がなく、言葉のイメージが人によってバラバラな状態でアンケート調査をして平均値を計算しているわけですが、その数字に意味があるのか疑問です。
ここはやはり辞書にある意味を元に考えるべきではないでしょうか。
「老後」が「年をとってからあと」であるなら年をとっていない期間があるはずで、それを「現役時代」とします。
現役時代と老後を分けるイベントは、
・子育てが終わり、子供が全員自立した ⇒ 50代後半
・若い社員と対等に仕事をさせてもらえなくなった ⇒ つまり定年 一般的に60歳
・年金をもらえるようになった ⇒ 一般的に65歳
くらいでしょうか。
これらには健康・能力は含まれていません。
健康・能力は人によって大きく異なるため、だいたい何歳と言いにくいからです。
55歳くらいからのいくつかのイベントを通過するごとに老後が深まっていき、65歳の年金受給で完全に老後になるというイメージです。
晩婚、65歳定年、年金の繰り下げ受給があると、老後の完成がもう少しあとになります。
ある日突然老後になると考えるのは、急に180度意識を変えることであり難しいです。
環境が変化し、だんだんと老後になってきたので、自分もその環境に適応して変わらなければいけないということです。
・子育てが終わったので、今後は無理に頑張らずに仕事をする
・定年で仕事をさせてもらえないので、仕事は最低限に抑える、あるいはやめる
・年金をもらえるようになったのでお金のためには働かず、本当にやりたいことをやる
10年あれば、ほとんどの人は変われるはずです。
もちろん、老後になっても仕事を無理して頑張って限界までやってお金を稼ぎたい、というなら、それは自由です。