「言ったもん負けの文化」 三菱電機の調査報告書から(日本経済新聞)
従業員が上司に改善提案をしても、声を上げた担当者に改善作業を丸投げしてしまっては、現場は解決困難な問題であるほど報告をためらうようになる。長崎製作所のある従業員は「言い出した者が取りまとめになり、業務量の調整もしてもらえないので、単純に仕事が増える」と証言。担当者たちは不満を抱え「公の場では何も言わず、飲み会や雑談の場でだけ職場の問題を話す」という。
「言ったもん負け」とは、組織の全体に及ぶような改善提案をすると、上司から「だったらお前がやれ」と丸投げされ何のサポートもない状況をいいます。
一般社員には権限がないこと、多忙で時間がとれないことから、ほとんどの場合は改善できません。
そして「なぜできない」「なぜやらない」と非難されて負けることになります。
これが続くと誰も改善提案をしなくなります。
これって他社にもあるんだと思いました。
「言ったもん負け」で検索するとたくさんの記事があり、よくある話のようです。
私は改善をやってのけたと自慢しているブログがありますが、小さなグループの問題で個人でなんとか解決できるようなものはこの場合には当てはまりません。
これを解決するためには管理職の誰かがリーダーとなり、改善プロジェクトチームを立ち上げるといったやり方が必要ですが、面倒なうえにやったからといって利益に結び付かないのでアピールもできず、結局みんながスルーしてしまいます。
やはりこれも経営者のコミュニケーション能力の低下に関係があると思います。
現場で起こっていることをつかむ能力が低い、あるいはつかもうとしない、下からの報告をうのみにするだけ、といったところでしょう。
お気に入りの部下にまとめさせ報告させるのではなく、本当のところはどうなのか、自分でいろいろなところにあたり、時には予告なしに現場に行って担当者と雑談するなどが必要でしょう。
自分が入社したころはトップが一般のフロアをうろうろしていたことがたまにありましたが、今はありません。
いろいろな会社でトップが辞任して再発防止策を講じる、という流れになっていますが、能力の低下は数年かけても改善できないと思います。