大学などでは物事は自分の頭で考えなさいという教育をしていると思います。しかし会社に入ると、「分からないことがあったら自分で考えずすぐに周りの人に聞くように」と言われ、戸惑うことがあるようです。
これはどちらも正しいと思います。
周りの人に聞くのは作業員の仕事の仕方です。新人は作業員的な仕事をさせられることになるので、周りの人に聞くほうがいいことが多いです。
また、目先の仕事を取り合えずすぐ片付けたいときも周りの人に聞くほうがいいです。
自分の頭で考えるのは管理職の仕事の仕方です。大学はエリート教育なのでこちらを教えています。
仕事が高度で複雑になっていくと誰に聞いても「分かりません」と言われるようになります。自分で考えず周りの人に聞くことが当たり前になっている人はここでどうしていいかわからなくなります。
管理職になったのに作業員時代の習慣が抜けず、自分の頭で考えない人がいます。部下に指示できる立場であるため、できるだけたくさん情報を集めさせ、まとめさせ、アクションの選択肢を用意させ、おすすめを用意させます。
そしてできるだけ多くの人に聞こうとし、関連部門からたくさん人を集めて何度も会議を開きます。
各部門の担当者は自分の仕事に詳しいだけで、他部門のことも含めた全体を把握しているということはありません。情報は上に集まっているからです。
情報が欠けた状態で部下が用意したおすすめを選択するだけだとベストな判断はできません。
本来は、部下にできるだけ自分が持つ情報を伝え、部下の意見を聞き、ある程度情報を集め、多少情報が不足していてもスピード重視で自分で考えて判断すべきなのですが、いつまでも判断せず、部下に促され締め切りを大幅に過ぎてから渋々判断する人が多くなっていると思います。
以前はこういう状況は自分の職場だけだろうと思っていましたが、意外と多くの職場で同じことになっているのではないかと思うようになってきました。