よく言われるのは体力の低下です。でもそれはウソです。60歳で急に低下することはありません。さらに頭を使う仕事ならほとんど関係ありません。
次に言われるのは気力の低下です。これは少しあると思います。でも給料が半分になり、扱いが悪くなって低下しないほうがどうかしています。
本当の理由は第一に仕事を干されることです。
会社は若者に新しい仕事をさせて育てたいと考えています。これにより、いままでだったら自分がやるはずだった種類の仕事が奪われ、だんだんと干される状態になります。
どうやって仕事を外そうかと画策しているようにも見えますが、これは悪意でやっているとは限らず、若者を育てたい、いずれ辞めていく人から若者に引き継ぎをさせたい、何とか成長してもらいたいという思いがあるようです。
全体会議などで、若者を中心にした組織にしていきたいというような方針を聞くことがあります。それはわかりますが、再雇用社員も同じように仕事をしています。
若者を育てたいなら再雇用社員が直接教えればいいと思うのですが、再雇用社員を教育係にはしたくないようで、教育は現役社員の仕事になっています。
いつ辞めるかわからない再雇用社員よりも先のある若者を育てたいという気持ちはわかります。若者もいつ辞めるかわからないと思うのですが。
第二の理由は情報の遮断です。
担当から外れたのではないのに、メーリングリストから外されます。
メインでやっているものについては外れませんが、念のために入っているようなメーリングリストからは外される傾向にあります。
また、会議に呼ばれなくなり、出席していない会議で物事が決まることが多くなります。自分が担当だと思っていたことも、知らないところで決められることがあります。
そういうことがあったので、もうその仕事はやらなくていいと思っていたら、管理職の頭の中では情報を伝えたつもりになっていて、そのことを質問され、なぜその仕事をやっていないのかと非難されたりします。
仕事を干されることについては対策がありません。仕方がないので空いている時間を有効利用して別のことをやるしかありません。
時間の無駄だと思ったら時期をみて退職すべきかもしれません。
問題は情報の遮断です。情報がもらえないとできるはずの仕事ができなくなります。これはつらいことです。
情報をもらえない対策として、公開情報を丁寧に収集することがあります。
社内のデータベース、サーバーにアクセスする権限をもらい、できるだけ内容を把握します。
社内向けに開設されているWebを熟知します。人事情報や一般的な情報をつかんでおきます。
社外に公開されている自社製品、自社アナウンスなどの情報を熟知します。
また、時間がある分、丁寧に情報収集します。
例えば、もらったメールを丹念に読むことができます。
転送が繰り返されたメールは最初からのメールが下のほうに書いてあります。現役社員は忙しいのでメールの最新の部分しか見ませんが、時間があるならメールの最初から読めば、どういう経緯でこのメールが送られてきたのかわかります。それで現役社員にできない気づきが得られることがあります。
それ以外には、一般的な知識・技術を身に着けることです。
会社からの情報が途絶えるため、それに対抗するには別の情報ソースを持つ必要があります。社内にいることを利用して、漏れてくる情報を丁寧に拾う作戦です。
何もしないとどんどん仕事ができなくなっていくと思います。なんとか工夫して対抗するしかありません。