マネーポストWebで、退職金が3000万の場合でも一括でもらうべきと主張しています。
退職金を年金方式で会社に運用してもらうのは「割に合わない選択」
果たしてそうでしょうか。
退職金は3000万で勤続38年とします。
年金で受け取る場合の運用利回りは2.5%で、20年支給されるとします。
一括でもらうなら退職所得は(3000-2060)/2=470で、
所得税額は470x0.2-42.75=51.25
住民税額は470x0.1=47
で計約98万円となり、手取りは2902万円です。
これに対し非課税分の2060万円を一括でもらい、課税分の940万円のみ年金でもらうとすると、年額61万で20年の総額は1220万になります。
単純計算して所得税5%、住民税10%を引くと1037万となり手取りは3097万となるので、これだけだと年金でもらったほうが195万円得することになります。
あとはどれだけ社会保険料が増えるかです。
このほかにもいくつか考えなければいけないことがあります。
今は60代前半は厚生年金がないので、その期間にもらう企業年金には70万円まで税金がかかりません。
厚生年金を繰り下げるならその期間も120万円まで税金がかかりません。
社会保険については、月20時間以上働いて給料をもらっていれば、健康保険料、介護保険料は増えません。70歳まで再雇用で働くなら10年間は社会保険料が増えません。
また会社によっては75歳まで会社の健康保険を継続できる制度があり保険料は一定です。
さらに企業年金の中には終身のものがあるので、長生き対策として年金でもらうという考えもあります。
マネーポストWebの記事は会社の運用分が加算されておらず、期間もなぜか10年と短く設定しており、さらに最近の再雇用や年金の状況を考慮に入れていません。
年々制度や状況が変わっているので、それに合わせて常識も見直して調整することが必要だと思います。