見つけたのは2020年に出版された文庫本で、元の単行本は2018年に出版されています。
Amazonでは試し読みができませんが、読書メーターというサイトでできます。
「おい、お茶をくれないか」
「おーい、十志子、いるんだろ?」
「十志子、どこにいるんだ?」
今の定年世代でこんなことを言う人はどれくらいいるでしょうか。
設定も団塊以前のありきたり過ぎています。
「大手石油会社を定年退職した庄司常雄。悠悠自適の老後を夢見ていたが、良妻賢母だった妻は「夫源病」を患い、娘からは「アンタ」呼ばわり。気が付けば、暇と孤独だけが友達に。」
この小説は二十年前の定年男性を現代にタイムスリップさせ、意識と会話の噛み合わなさ、おかしなところをこれでもかと並べて叩き、笑っています。笑ってスッキリするのか、ものすごい怨念を感じます。
実際、過去にこのような人はいたのでしょう。それを攻撃したいのはわかりますが、定年オヤジはどんどん変化しています。このような小説でこういうものだとイメージを付けられ、今の定年男性は多大な被害を受けています。
読者のコメントを読むと喜んでいる読者がいるようなので、こういう小説や記事はこれからも出てくるのでしょう。大変残念なことです。