YukunP’s diary

古すぎる「定年」のイメージを変えたい! 今の定年は違うんです

定年本

 Amazonで「定年」の本を探しカスタマーレビューの数で順位をつけると以下になります。
定年後 - 50歳からの生き方、終わり方 (中公新書) 新書 2017/4/19
楠木 新 (著)
5つ星のうち3.8 97個の評価

定年前後の「やってはいけない」 (青春新書インテリジェンス) 新書 2018/4/3
郡山 史郎 (著)
5つ星のうち3.5 75個の評価

定年バカ (SB新書) 新書 2017/11/7
勢古 浩爾 (著)
5つ星のうち3.8 62個の評価

定年前 50歳から始める「定活」 (朝日新書) 新書 2019/1/11
大江 英樹 (著)
5つ星のうち4.3 20個の評価

 この中で最もカスタマーレビューの数が多く、Google検索でもよく出てくるのが「定年後 - 50歳からの生き方、終わり方」です。著者は1979年から生命保険会社に勤務し、50歳から取材しているとのことです。取材の対象は団塊の世代ということになるのでしょう。
 低評価のレビューには「なぜ、孤独が定年後の最大の問題と考えるか、説明がない」「定年退職も社会的に強いポジションを維持することに幸せを感じる方々への指南書」「この本の読者対象は大企業の退職者か公務員」といった批判もありますが、この本が定年後の生活のレポートと課題をまとめた「定年本」の基準となっていると思います。

 次に多いのが「定年前後の「やってはいけない」」です。
 低評価のレビューには「ご自分の転職仲介会社の商売を推進しやすくするためのポジショントーク」「指摘指南しているのは、大企業の部長、元部長。著者は人材紹介業をしている」「ご自分の会社に都合がよい高齢者を増やそうとしているようにしか思えません」といったものが多く、対象者が限られる本のようです。

 「定年バカ」は内容紹介で「ベストセラー『定年後』に影響されて」と書いており、『定年後』に対して「「なにもしない生活」だってアリなのではないか。」と少し反発しています。
 低評価のレビューには「巷に出ている定年本の批判に終始」とあり、「巻末に最近出ている定年本をほとんど羅列して一覧にしてある。この系統の本探しには役立つかも」とあるので、世の中の定年本を批判的に読む際に使える本かなと思います。

 「定年前 50歳から始める「定活」」では星一つの低評価がありません。著者は大手証券会社で定年まで勤務したあと2012年に独立しています。それなのに「150万円の貯金しかなかった」というのは起業のために使ったのか、あるいは浪費家ということなのでしょう。
 「節約は老後の大敵」「再雇用で働くより独立を」「定年後の稼ぎは8万円で十分」「お金の安心は人脈で手に入れる」と説いています。お金をたくさん使ってその分たくさん稼ぐという社交的で行動力のあるタイプのようで、これを実現できる人はかなり限られるでしょう。

 「LIFE SHIFT」という、カスタマーレビュー数が399もある本があります。米国の今の状況を前提に平均寿命が100歳まで伸びたと仮定したときの未来予測であり、日本の定年本とはかけ離れています。まだまだ定年が先の若い世代に受けているのでしょう。

LIFE SHIFT(ライフ・シフト) (日本語) 単行本 2016/10/21
リンダ グラットン (著), アンドリュー スコット (著), 池村 千秋 (翻訳)
5つ星のうち4.1 399個の評価