厚生労働省の発表によると、60歳定年退職者の85%が継続雇用で働くとのことです。
令和元年「高年齢者の雇用状況」集計結果
「過去1年間(平成30年6月1日から令和元年5月31日)の60歳定年企業における定
年到達者(362,232人)のうち、継続雇用された者は306,949人(84.7%)」
今や世の中は再雇用で働くのが普通になりました。
給料は今までの半分以下で、あとは高齢者雇用継続給付金と企業年金が収入となります。退職金の運用分もあるかもしれません。子供が全員働いていれば教育費とこづかいがゼロとなり、さらに同居していて少し出してもらうようにすれば、何とか今までと変わらない生活が送れるでしょう。
再雇用で今まで通り働くなら厚生年金の支払いが継続され、5年間の支払い分が加算されて年金が増えます。健康保険料も会社と折半になるので安くすみます。
再雇用で働かないというのは、給料がゼロになり、年金もゼロのままで、現役時代の住民税をしばらく払い、健康保険料を全額負担するという大幅な支出増を意味します。これに耐えられる人は、かなりの蓄えか親の遺産がある、家業を手伝う、前から起業・転職の準備をしていて定年のタイミングで実行する、といった状況でしょうか。恵まれた人か、やり手の人ということだと思います。
30%減額を覚悟で年金を60歳からもらい、あとは企業年金と退職金でなんとかやりくりするという手もあるかもしれませんが、ただでさえ少ない年金が一生減額されるのでかなり厳しいと思います。