YukunP’s diary

古すぎる「定年」のイメージを変えたい! 今の定年は違うんです

「人的資本」とは

「人的資本」について調べていると、2種類あることがわかります。

ひとつは、企業経営で使われる考え方です。
労働者を「人的資本」ととらえ、その価値をどのように定義づけるか、どうしたらその価値を上げることができ、企業価値を上げられるのか、といったことが課題になります。


もうひとつは、個人の資産運用で使われる考え方です。
投資関連のWebサイトに説明があります。

資産運用において「高齢であること」の意味(トウシル)

人的資本とは、個人の将来の稼ぎを割引現在価値にして合計した、いわば「個人の株価」のような概念であり、当面同じくらいの稼ぎの能力であれば、若い人の方が稼げる期間が長い分大きくなる。

 

あなた自身が大きな「資産」かも知れない。個人の株価「人的資本」について考える(トウシル)
人的資本の主な性質は、
1. 収入の高い職業に就くと人的資本は増大する
2. 収入の安定性が高い方が人的資本の価値は高い
3. 教育投資(特に若い頃)によって、人的資本の価値は向上する
4. 健康への投資によって人的資本の価値を向上させたり、低下を抑えたりできる

つまり長い間、安定して、高い収入が得られることを見込めるなら、その人の人的資本の価値は高いことになります。


一方、リタイアした高齢者の人的資本はゼロなのだそうです。

「退職」が文字通りこれから一切稼がなくなることを意味するなら、前掲書(モシェ・ミレブスキー著「人生100年時代の資産管理術」)での人的資本の定義によると、人的資本の価値はゼロだ。


これはちょっと疑問に思いました。
年金収入は考えないのでしょうか。
生きていればお金をもらえるので、余命の分だけ人的資本があるはずです。

また、資産運用が上手で、適切に動くことで毎年安定的に利益が得られるなら、それも人的資本だと思います。

人的資本と金融資産を分け、独立したものとする考え方は、おそらく、資産運用をインデックスファンドやリスクの低い個人向け国債などに固定することを前提にしているからなのでしょう。

自分の運用能力は一切発揮せず、完全にお任せならそれは人的資本にはならないということです。


高齢者は、年金収入と資産運用力に加えて、
・節約力
・自己教育力
・健康維持力
も人的資本だと思うのですが、そういうことを言っている人はいません。

人的資本の定義が働いて稼ぐことに限定されているのは、ちょっとおかしいのではないかと思います。