管理職のよくある不満に「権限がないのに責任を押し付けられる」「上司が権限を与えずに責任を取らせる」があります。
一般社員にも同じような話があります。「情報を与えないのに成果を求める」です。
上司としては、なんとか工夫して自分で情報を取ってこいということなのでしょう。
飲み会に参加して聞き出すとか、自腹で交換条件を提示するとかして相手から情報をもらえということでしょうか。
それはそれで考え方としてはあるとは思います。
これはITシステムに似ていると思います。
入力データをもとに自分という処理装置が出力データを作成するのが仕事です。
権限は手持ちの駒のようなものなので入力です。責任は仕事を終えること、問題を解決することであり、出力です。
「入力データが欠けているが出力を出してほしい」「入力データが正しくないが、出力データは正しいものを出してほしい」という仕様だと、システムを作るのは難しい、できない、となるでしょう。
発注者の思いは、欠けているデータをなんとか自分で探したり、当たりを付け自己責任でデータを自作することによって出力データを捻出して欲しいということでしょうが、ITシステムの設計者としては不可能と言うしかない要求です。
仕事が難しくなった、できなくなったというのは処理装置が加齢などで劣化したのか、入力データが欠けているのかよく考える必要があります。