YukunP’s diary

古すぎる「定年」のイメージを変えたい! 今の定年は違うんです

己の無知を自覚することが真の賢さである

 YouTubeチャンネル「アバタロー」より
 【31分解説】ソクラテスの弁明 | プラトン ~一度きりの人生を後悔なく生きる極意~

 ソクラテスはその活動により多くの知識人・政治家の恨みを買い、告発されて裁判にかけられ死刑になりました。その裁判の様子を弟子のプラトンが記録したものが「ソクラテスの弁明」です。

 裁判の描写も感動的ですが、アバタローさんによる背景や当時の状況の説明が面白いです。

  古代ギリシャで世界初の民主制をとったアテナイがどうなったか。

人気取りのことしか考えない、ダメダメ政治家が増えちゃったんですね。このダメダメ政治家たちが長けていたのは何と言っても「言葉の力」です。説得力のある雄弁を用いて場の空気を支配するんです。こういう政治的リーダーのことを「デマゴーグ=扇動的民衆指導者」と言います。大きな戦争に敗れ、社会が混乱している中、アテナイではそういった言葉巧みなデマゴーグが政治を動かしていくことになったんです。ですから影響力を持ちたい、そういう人はとにかく言葉の力を欲しました。俺もあの人のように自信たっぷりに物事や夢を語ってみたい。人々を納得させ、希望を与え、支持を得る。そんな話術を誰か教えてくれ、金なら払うよ。そんな時代のニーズにぴたっと合わせるように、金銭を受け取り、弁論術や自然科学などを教える職業ができました。それがソフィストと呼ばれる人たちです。

 

ちなみにソフィストというのは「知恵のあるもの」と言う意味で、その名の通り、自分たちは知恵がある、賢い人間だ、何でも知っているぞと先生面をしていたわけです。そして政治のこと、自然科学のこと、わからないことがあればなんでも聞いてくれ、みたいな感じでドヤ顔で町を歩いているんですね。

 この状況でソクラテスが多くのソフィストたちに、愛とは何か、勇気とは何か、正義とは何か、と質問し、ソフィストたちは答えられず、公衆の面前で無知をさらけだすことになります。

 

 現代日本で「言葉の力」と言えば某新聞を思い浮かべます。その新聞が推す政治家がデマゴーグであり、お抱えの識者・評論家・大学教授たちがソフィストということになるでしょうか。