本屋で「60代ミッション」という本を見つけました。著者の斎藤孝さんは1960年生まれなので今ちょうど60歳です。
なぜなら仕事をはじめ子育てを含む家庭のことなど、これまで背負ってきたミッションが60才をもって、ほぼひと巡りする感があると思うからだ。そうすると”ミッション・ロス”と言うか、「60才を超えたこれからの人生は、何をミッションにして生きていけばいいのか」がわからなくなってしまう場合がある。
60歳を超えて何をミッションにすればいいのか。
この本では、決める、挑む、乗り越える、学ぶ、動く、支える、伝えるのカテゴリに分けて、偉人の人生、業績、言葉を引用しつつ、こんなことをやれたら素晴らしい、と説いています。
「決める」の章では「座右の銘を支えにする」「「道」と人生を重ね合わせる」「全力で生き、全力で死ぬ」と意識が高い言葉が並んでいます。
よく、年を取ってから活躍した例として伊能忠敬が挙げられます。
伊能忠敬は事業家として成功した後、49歳で隠居、50歳で江戸を出て学び始め、55歳から71歳まで全国を測量して日本地図を作るという大偉業を成し遂げました。
この本でも伊能忠敬を紹介しています。現代なら60歳で始めても伊能忠敬のような大きなことができるだろうというわけです。
たしかにその通りであり、もしかしたらできるかもしれません。
しかし60歳で偉人の生き方を目指すのはどうなのか、とも思います。
60歳までやってきて偉人になれなかったわけであり、それをいったんリセットして、ミッションと言えるような、偉人のような大きな目標を設定して、それを成し遂げようというのは少し無理があると思います。
この本ではそういう声を予想してか、「動く」の章あたりから「「漂泊」の旅に出る」「若い人たちのサポーターになる」「稽古事に夢中になる」など誰でもできることも提案しています。これなら現実的です。
偉人の業績を説明することでいったん意識を大きく高めて、そのあとに現実的な行動を促すということなのかもしれません。
自分としては過去を振り返るのではなく、現代社会の中で小さな目標を探していこうと思っています。