定年退職後はどうしようか、まずは情報を集めよう、と本やネットの記事を探すと思います。自分もいろいろ調べましたが、どうも違うんじゃないかと思うことがよくあります。最近その理由がわかってきました。
・本やネットの記事は多数派を対象にしていない 興味を引くためだけに書いている
本やネット記事は、話題になりやすいものを取り上げ、人の目を引きやすいストーリーになりがちです。
例えばハッピーな気分になるサクセスストーリーです。独立して成功した話、望まれて再就職した話はドラマチックで興味を引きます。
もうひとつは誰でも下流老人になり得るといった不安を煽る記事です。現役時代に高収入だったため浪費ぐせが抜けない、晩婚のため定年後も教育費がかかる、地方に住む親の介護、自分や家族の病気、子供のひきこもりが重なってお金がなくなり窮地に追い込まれたというものです。いくつも重なるのはレアケースでしょうし、作り話っぽくも見えます。
これに対して中流とか再雇用は話として平凡でつまらないので情報はほとんどありません。
年金についても、定期的にもらえる金額の範囲内で生活すれば最低限生きていけるはずですが、そんなことを書く記事はありません。ぜいたくしなければ何とか暮らしていけるのはあたりまえであり、そんなつまらない情報は本や記事になりません。
・情報がちょっと古い
アンケートをしてそれをネタに書くやりかただと古い情報になりがちです。アンケートの結果は間違っていませんが、それだと過去の情報になり、これからどうなるかという記事にはなりません。いままでの定年後、老後はわかったが、自分も同じようになるかはわからないのです。
・本やネット記事を書いている人が団塊世代以上
団塊世代以上は仕事に対する考え方が違います。長時間労働が当たり前です。自分も若いときはそうでしたが、少し前から変わってきているのを経験しています。
また、家族との関係がかなり違います。「ぬれ落ち葉」とか「夫源病」とか、まったく理解できない世界です。
・対象にしている世代が団塊世代以上
団塊世代にインタビューをしてまとめた本だと、その内容は正しくても自分には当てはまりません。妻は専業主婦、夫は仕事一筋で家事は一切やらず子供の教育も妻に任せきり、今の60歳以下でそんな夫婦がどれくらいいるのでしょうか。
・本やネット記事を書いている人が40代以下
若いフィナンシャルプランナーが50代60代と話をした結果をまとめている場合が多いです。いろいろな相談を聞いているようですが、ピンとこないこともあるはずです。
役職定年や定年退職の仕組みはわかっていても自分で経験していないから、十分に気持ち、思いをつかめていないと思います。
・書いている人の意識が違う やり手の人で独立志向が強い
再雇用なんてつまらない、新天地を目指せ、そのためには早めに、できれば40代のうちから準備しようということで、自分の経験を元に思い切った行動を促す内容です。前提が違うので参考になりません。
結局、先輩の経験は参考にはしますが、全部自分で生き方を考えるしかないのだと思います。