YukunP’s diary

古すぎる「定年」のイメージを変えたい! 今の定年は違うんです

死ぬまでに資産を使い切るべきかどうかは年金額で変わります

死ぬまでにお金を使い切るべきではない、使い切るべきだ、と正反対の考えを持つ人がいるのはなぜでしょうか。
ひとそれぞれ、いろんな意見があるからでしょうか。

いろんな意見があっていいじゃないか、ということではなく、意見が違う理由があると思います。


使い切ることに反対の人は、使い切ってしまったら貧困生活になるじゃないかと考える人です。

死ぬまでにお金を使い切る派とそうじゃない派(アーリーリタイア徒然草)

私は、人生楽しむために、あるいは、有意義に過ごすために、もっとお金を使いましょう、という考えは理解出来ますが、一方で老後の貧困を避けるためには貯蓄も必要になります。
だから、お金を使い切って、老後の貧困に苦しむようでは、人生を楽しむという目的からすると本末転倒でしょう。

おそらくそのイメージは、
・老後資金3000万円をゼロにする
・ゼロになったら困窮してしまう
・老後の貧困を恐れている
・妻に残したい
です。

このように考えているのは、50代以下の若い人、アーリーリタイアした人、セミリタイアした自営業の人が多いです。


使い切ることに賛成の人は、使い切ったあとは普通の生活に戻せばいいじゃないかと考える人です。

おそらくそのイメージは、
・老後資金3000万円を1000万円にする
・できるだけ健康寿命の75歳くらいまでにその2000万円を使って人生を楽しむ
・その後は年金の範囲内で暮らす
・もしもの時は残した1000万円の中でやりくりする
・妻には残さず、繰り下げた国民年金と遺族年金で暮らしてもらう
です。

このように考えているのは、60代以上で、65歳まで会社員で働いた人が多いと思います。


この違いの理由は厚生年金と企業年金の額の違いだと思います。遺族年金の違いも大きいです。
現役時代の収入が平均以上の会社員だと、例えば夫の厚生年金が月18万円、妻の5年繰り下げた国民年金が月9万円だとすると計27万円となって、十分暮らすことができます。
企業年金があればさらに余裕があり、困窮は考えられません。

夫が死んだあとは遺族年金があり、例えば月8万円とすれば妻の収入は計17万円になってこれも困窮は考えられません。

だから老後資金を使い切ることができます。


アーリーリタイア、セミリタイアした人、自営業の人は、資産を減らすことに強く抵抗します。
これは早くに国民年金に移行したため、厚生年金、企業年金、遺族年金が少ないためだと思います。

これはアーリーリタイア、セミリタイア、自営業のデメリットです。
資産の半分だけ使い切るといったこともできるはずですが、やり方を全部自分で考えなければならず、不安なので、やっぱり元本には手を付けないでおこうとなりがちです。

こう考えると、自営業であるFPによる「死ぬまでに資産を使い切るべきではない」という生き方のアドバイスは、年金額が多い会社員には当てはまらないことになります。