高齢者が数千万円、1億円を超えて持っていてもお金を使わない、使えない、というネットの記事をよく見ます。
その理由は、主に3つあるようです。
1つ目は将来が不安だからです。
お金が必要になったときに備えたい、いざというときにお金がないと困る、あるからと使ってしまうと後悔するかもしれない、と思うからです。
70代、80代になっても将来が不安なんだそうです。
お金がかかると思われているものは、
・介護費用
・家の費用 リフォーム、修理
・保険外治療
です。
何歳まで生きるかわからないし、これらにいくらかかるかわからないから節約を続け、お金を使いません。
お金があればあるほど不安が小さくなるし、使って貯金が減ってしまうとその分不安が大きくなります。
2つ目は、お金を使おうと思わないからです。
生活レベルを上げる、新しい贅沢をする、海外旅行をする、というのは日常を変えることであり、エネルギーが必要です。
わざわざ面倒なことを始めなくても、今のままで十分で満足しているし、変える必要はありません。
せっかく貯めたお金を使わなくても残念だとは思わないし、余ったらそのまま妻や子供にあげればいい、となってお金を使わなくなります。
3つ目は、お金を持ち続けたい、できれば増やしたいと思うからです。
これはお金に執着している人です。
資産額イコール自分の価値だと思っている人なら、銀行口座の数字を見て、それを家族に相続させて満足して死ねるかもしれません。
不安でお金を使わないというのは、お金が足りなくなるリスクを過大に想定し、安心を求め過ぎています。これはいくつもの保険に入るのと同じです。
老後資金をほぼ使えずに死ぬ、早死にリスクを考えていないという問題もあります。
リスクは適正に想定するべきです。
また、今のままで十分幸せだから特にお金を使おうと思わない、というのは機会損失であり、もったいない生き方です。
これは意識を変えてもらうしかありません。
そして、お金に執着している人についてはどうしようもありません。
おそらく、お金を使わない理由は3つのいずれかではなく、3つの組み合わせなのだと思います。
高齢者がお金を使うようになるためには、まず高齢者の意識、生き方を変える必要があります。
その上で適正なリスクを想定し、余った分を計画的に使い切り人生を充実させる計画を立てなければなりません。
それは大変難しいことなので、裕福な高齢者がお金を使わないというのは今後も続くのでしょう。