YukunP’s diary

古すぎる「定年」のイメージを変えたい! 今の定年は違うんです

無敵の老後

無敵の老後(勢古浩爾 著)


著者の勢古氏は2017年出版の「定年バカ」という本で、「定年後は何かしなきゃ、生きがいをもたなきゃ」というのは一種の病気であってその呪縛をとくべきだ、と主張していました。

その後、脳梗塞になり、75歳になって書いたのがこの本です。

本の帯にある、
「人生楽しまなきゃ損?余計なお世話だ。生きてりゃ、それでいいんだよ。」
に共感しました。


「はじめに」にはこう書かれています。

もし人が「生きているだけで楽しい」と心から実感できるなら、つまらぬ考えから自由になれることはたしかである。
老後はなにをしたらいいかとか、どのようにすごしたらいいかとか、まして「人生100年時代」といわれている現在、後半の人生をどうしたら楽しくすごすことができるか、といった余計なことを、考えなくていいのである。

「無敵の老後」とは、ごくふつうのじいさんが、どのように生きれば平穏な老後期を過ごすことができるか、の問題である。心の持ちかただ。


ここで無敵になるとは、敵に打ち克つのではなく敵を無くすことを意味します。

敵とは苦しみのことであって、生、老、病、死と人とお金です。

「生」は、老人にとっては”ただ生きる”だけなので、もはや敵ではなくなります。
「老」は、老人にとっては自然の摂理であって、最終的には受け入れるだけです。
「病」は、罹患しないように気を付け、治せるものなら治したいものです。
「死」は、自然であり、克てないのでなるようになると思い定めるしかありません。
「人」は、一番厄介でもっとも敵らしい敵です。蹴とばして一方的に関係を断ちます。
「お金」は、生活するお金があり物欲がなければ、敵ではなくなります。

つまり、
・健康に気を付け、病気になったら治療できるものは治療する
・厄介な人は遠ざける
・最低限のお金を確保する
ができれば、あとはどう生きるかだけです。


無敵になりたいならどう生きるかを考えなければならないのに、それは余計なことだと言っているのは矛盾しているように見えます。

おそらく75歳で脳梗塞になったことで「生きてりゃ、それでいいんだよ」の境地に至ったのだと思います。

健康と残り時間を見ながら、自分と周りの状況によって、少しずつ考え方を変えていくことが必要なのでしょう。