YukunP’s diary

古すぎる「定年」のイメージを変えたい! 今の定年は違うんです

正しい知識を得るために必要な4つのこと

【名著】ノヴム・オルガヌム|ベーコン 今すぐ捨てるべき、4つの“思い込み”とは?(アバタロー)

「ノヴム・オルガヌム」は、17世紀に活躍したイギリスの哲学者、フランシスベーコンの著作です。

ベーコンの名前や「知は力なり」という名言はよく知られていますが、
「ノヴム・オルガヌム」は聞いたことがない人が多いと思います。

「ノヴム・オルガヌム」は「新しいオルガノン」という意味のラテン語です。
オルガノン」は、「古代ギリシアの哲学者アリストテレスにより執筆された論理学に関する著作群の総称」です。
論理学とは、哲学(つまり知の探究)をするための道具(ギリシャ語でオルガノン)です。

つまり「ノヴム・オルガヌム」は「知の探究をするための新しい道具」ということになります。


ノヴム・オルガヌムでは、新しい思考ツールである「帰納法」について書かれています。
では古いほうの思考ツールは何かと言うと、「演繹法」です。

演繹法」はアリストテレスによって提唱された定番の思考ツールであり、普遍的命題(大前提)から理性的に推理をすることで正しい知識を得ようとする方法のことです。三段論法とも呼ばれています。

これは、絶対に間違っていないという大前提を挙げるところから思考を組み立てていき、
次に小前提として個別の例を挙げ、
最後に結論を出します。


この「演繹法」には2つの問題があります。
1. 大前提が間違ったら結論が間違ってしまう
2. イノベーションを起こしにくい 議論するにはいいが、新しい発見にはつながりにくい

そのためベーコンはもうひとつの新しい方法である「帰納法」を提唱しました。
背景には17世紀の科学革命があります。

帰納法」は複数の個別事例から一般的な規則や法則を導き出す、論理的推論です。
経験・実験によってたくさんサンプルを集めて結論を出します。


この「帰納法」にも弱点があります。
経験は当てにならない、人間の五感が当てにならないことです。

そういった「帰納法」の弱点を補うために必要なのが、次の4つのイドラ(偏見や思い込み)を捨てることです。

1.種族のイドラ:人間に備わった感覚による偏見 例えば目の錯覚
2.洞窟のイドラ:個人的境遇や体験からの偏見
3.市場のイドラ:噂話や聞き間違いなどによる偏見 最もやっかいなもの
4.劇場のイドラ:権威を妄信することによる偏見

これらを捨てることができれば、帰納法により、より正しい知識を得ることができるようになります。

 

21世紀に生きる現代人は新しい思考ツールである帰納法を使って正しい知識を得るように教育されているはずです。

だから、経験・実験によってたくさんサンプルを集めて結論を出すアプローチをとることが必要です。

そのためには、自分のなんとなくの感覚、特定の人の意見、ネットに広まっている情報、権威ある人の意見、を疑うことが非常に大切だ、ということになります。