普通に考えれば再雇用で、慣れた職場で、慣れた仕事を定年後も続けるのが楽です。
給料が現役時代の半分以下になったとしても最低賃金よりはそこそこ上の場合が多いでしょうし、休みも取りやすいです。
勤続が長く会社に特化しており、技術的にも人間関係的にも知識・ノウハウが蓄積され、あらゆるスキルが高い状態になっています。力を100%発揮できる環境にいるわけです。
再就職するとそれらがすべてリセットされ、持っているのは一般スキルだけになり、年齢、健康不安、容姿がマイナスになります。
この不利な状態で活躍するのは難しいのは明らかです。
再就職は、どうやっても今の会社では仕事ができない、となったときにのみやむを得ず検討すべきです。
それなのになぜ再就職を勧める人(記事)が多いのでしょうか。
ひとつは会社(特に大企業)が、一部の優秀な社員を除いた残りの社員を定年で、できれば55歳くらいで追い出したいというニーズがあります。
二つ目に、人手不足の業界がスキルのあるシニアを安く使いたいというニーズがあります。
三つ目に、人材紹介会社がその転職の斡旋をしたいというニーズがあります。
四つ目に、企業と関係が深いメディアが再就職で得をする会社を集めて再就職を勧める記事を書きたいというニーズがあります。
この四者がタッグを組んで再就職キャンペーンをやっているのが日経ビジネスのこのシリーズだと思います。
みんなが70歳まで再雇用を希望したら会社(特に大企業)は大変なことになる、という危機感が読み取れます。
シニアはそんな業界の都合などは無視して、自分のベストの道を自分で考えるべきだと思います。